きのうのソネット/
佐々宝砂
願えば妖精がわいて
私の願いを叶えると
思い込める程度に
私の生活は妖精だった
あの人の世界は散文で
音が悪くなった革靴を鳴らして
歩いてくると
その現実性に絶望した
あなたはいない
名を騙る人がいても
あなたを知る人がいても
ばいばい
またね
おねがい
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