とめどなく。厳しさに欠ける/あらい
ただ砕かれた杜を双眸に悴む小さな恋の、
下方を掻い潜る水面をめらめらと這い蹲る炎が
骨の芯から髄まで、しゃがれこむのか
仄仄として 空けつく地平が薄化粧のように
東雲の残り香をする
すさまじき かぜと、そう、なめる
包容の猥雑差に、丹念に燃やされた寂寞を想う
始まりがあり、終わりがあるのは 然し。
記憶が水没して姿形もなくなる瞬間を
自分が自分で無くなる時に身取れるのが
傍らにいるものの末路と望めば
私たちの交換日記はどこが起点に当たるのかな
絶え間なく流れ続ける タグに触れて釦を填める
「赤子なのだよ」呆けた瞳で云う。
――これは、弱者として
切り分けら
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