あなたが書いた絵をみてます/竜門勇気
8月に、おのれを見てから死ね
あわせた視線がそれて
さっきまで二人ついていた
食卓が無意味になる前に
無駄な予言が現実になる前に
唇をかすめてこぼれる水滴
待って待って、待ちわびた
エンドロールの見慣れた名前
渋く震える赤黒い冬の
最後に残ったひとかたまり
誰かが探してた
かもしれないし
誰かが迷って泣いてたあの街にあった
かもしれないし
侮蔑で組み立てるスイミングスクールの
水面に泡立つ短命なシャボン玉
8月に、鼓動を打ち鳴らす心臓
真空タンブラの中の氷が溶けて
やっと二人だけの食卓が
血だらけの僕らに歯向かう前に
汚れた聖書が意味を持つ前に
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