それぞれの星/やまうちあつし
 
別々の星で生まれたわたしたちは
別々の星に帰ってゆく
何の不思議があるだろう
それぞれの星にはそれぞれの神が棲む
岩場で昼寝していたり海底で欠伸していたり
だからわたしたちは
それぞれの理由で罰せられ
また祝福される
手紙というものは便利なものだ
話したくないときや話せないときにも
魂に直接問い合わせることができる
別の星にも届くだろう
三年後だか千年後には
わたしはしつこく聞くのです
そちらでは何色の雨が降りますか
そちらでは何色の傘をさしますか
あるいは
雨のさなかに踊るのですか
なんて


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