花筏/あらい
胸の内に留めておく 未だ青い林檎
竿を置いて当りを待つ 檸檬の横顔
腹を割るように刺し違える
ただ、はなひらを みおくるだけの
プラットホームからふたり お下がりください
幸せの数だけ、踏み躙り
敷き詰められた、777円のレシートが
いまに飛ばされて行きますので
終着駅を乗り過ごして結ぶ、一番星とは
反応の示さないエスカレーターに逆行するだけの
海まで続くような 簡単な言葉さえも、愛せない
雁字搦めと一室を見透したばかりの花束と
まぼろしを 組み伏せる、満ち欠けを 崩した
いまにして 薫風がきっと巡りますから
そんないのちなど 蝕むような花が茎が
恥じらう風と膨
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