燭 焚きつけて罅ぜる/あらい
多量に分離する、ひとつ。あのその、満月は昨日でしたか
恐ろしく冷ややかな素肌で寄り添ってはいたい
ガイドブックに神を置く だらしがない 恰好だとワタシが灰になる
その肌の色 抜けるよう白く土のように、渇き泥《なず》む
窖にわんさかと這いずり回る、わざわざとな風評みてえな、
気のせいばかりの出来物で憑くった、嘘くさい被害妄想が腫れやがる、
掻き毟った春宵《しゅんしょう》です
悪戯な汗 膨れ上がる空を更かし 不可視にも驕れ
好色な星が見えなくなる
夢も希望も知らぬ存ぜぬ、肯定も否定もねえが、生を許されていたほどの、
小さな飼育啓示のみが、私心でありますから。
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