読書における娯楽性と読破という苦痛について/山人
 
春彦なども読んだ。西村寿行はハードロマンでもありハードバイオレンスでもあったので、常に凌辱などの描写が多かったためか、読むごとにマンネリ化も感じてはいたが、社会への警鐘的なジャンルも多々あり、面白く読んだ。西村寿行以降は同じ西村姓の西村京太郎をよく読んだが、○○殺人事件といったタイトルは好まず、初期の頃の「消えたタンカー」などが好きであった。その後は森村誠一に傾倒した。彼の前身はホテルマンであり、ホテル業界をモチーフにしたものから、政治的な陰謀をテーマにしたものや、とくに山岳技術に長けていたということもあり、山岳小説もかなり手掛けていた。ただ、森村誠一や西村京太郎はシリーズものが多かったようだが、
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