読書における娯楽性と読破という苦痛について/山人
るようで、悲壮感すら漂っているという始末である。そんな平井氏は小説のみならず随筆などもよく読んでいるようである。
私と言えば、本嫌いではないが飽きっぽい。なので基本、娯楽小説的なものばかり読んでいた。
高校生の頃は青春小説(石坂洋二郎)みたいなものを好み、その後は川上宗薫や宇能鴻一郎といったいわゆるロマンポルノジャンルを好んで愛読し、自らも楽しむために途中まで同じような筆致で書いたこともある。その後、だいぶ本離れが続いたが、妻が長男を出産しに実家に帰ったころ、妻の実家で西村寿行の本はほぼ読破した。ジャンル的にはハードロマンみたいなものだったのだろうか。実猟を始めた頃でもあったので、大藪春彦
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