豆電球と友だちになる/竜門勇気
体中いたくてしょうがなかった
しゃべっているといくらか気が紛れた
ぼくの憂鬱はどこにもいかず
ベッドのうえでひまをつぶしてる
ひるまに眠るような仕事をしてる
よなかはずっと走りまわってる
雨がふるまえに星をみてる
今日がおわるまえに明日をさがしている
とにかくしゃべってるあいだは
どうやって息をしてるかとか
十秒先につながる一秒とか
今、のことは忘れてられる
ひるまに眠るときも
暗闇にならないように
ずっと
仕事に出かけるときも
ずっと
暗闇がぼくのベッドに居座らないように
フィラメントの切れた電球を
また一つ机の引き出しにしまいながら
誰にも明かしたことのない秘密を
電球に話す
暗くも明るくもない場所に
ずっと暮らしていたかった
ずっと思い出して生きていたかった
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