斜視の雨乞い/あらい
元に花を焚べて 次こそは高らかと云うわ
翳が廻るのか、光が追われていく、その行先、咲き裂きに
蛇口から酔いどれて垂れる信仰が、平和にひれ伏している。
これが現実なら屈折したソノモノは未来地図そのものだろう
気球を見た。
薄明光線の瞬きから。小さな女の子が恨めしそうに
手を伸ばす
夜光虫
きっとそうだ。
大きな扉は開かれる。
埃まみれのミルクポットを 大変 抱えながら。
ネグリジェで駆け出す春が、古びた日記を振り返り、
色褪せた草木が 熱をもったように
微笑んでいる。窓の外は ただただ若いみどりごの未来があった。
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