斜視の雨乞い/あらい
 
平面の邸宅に犬と要る。画用紙は満開に ぶちまけられた。

沸き立つような甘い香りで窒息していることに
築いてはいないのか、気づいてはいないのか。
声をあげても聞こえないのか
みな素知らぬ顔、様子を伺うようで興味も無い

みな一様に前を向く
それだけ、歩みもなく笑顔のよう
黒い凍み、白い熱 ただ一閃の透光
また、ガラスのひつぎに眠りたい
どんな想いであれ 我侭のかぎり
あちらこちらも どうせ助けられない
しかし見渡せば同士という導師
貝殻に耳つけて 母なる海と眠るように 

「誰しも怒りを下さい」

私は銃から花を射つから、獏のカレシの 首を刈って 
その口元に
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