怪訝。柩の瞼/あらい
さめる
侘び寂びを衰退させ、帳尻を合わせ舌を抜く 今夜は、
ねぐらを荒らした烏が 遠くで呼んでいる。辛気臭い悪が此処に
さめざめとした古里に光明と恋焦がれている
銀河と仰いでいる
火薬を混ぜ合わせた訃の あさぶくろにつけては、
灰を煮詰めた湖面に身寄りのない弧を流す。霧の中で
自動演奏の引き語りが 止める術のないピアニストのような、
鍛錬の罅、舞夜、辞世の句か
重圧の下での逆説を、後ろ指ひとつで まるで 見届ける断末魔の
難産でも屈辱を背負うように、
狂気と 包丁と 幸運を 金で買うには手の込んだアリバイが必要だったと
真鍮のドアの向こうを打ち消すように、ファイルに閉じ 再び立ち上がると
押し入れと描き放り込むならば。これが死体でもわたしでも構わなくて
方法が浮かぶまで解いては着せ替える
勝手な獲物達はただ赴くままに 糠星と声を殺しては、憂いている
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