自由律俳句 2022.02.11(金)/田中恭平
 
 
青い山赤い山白い山

残酷にきらめいている春の川

スマフォほっぽり出して小さな旅

やっと目覚めたことの緑目にしみる

けさは食事も摂らず御神木の前

朝陽のぞむ、さくやの夢は洗われて

自然に癒される年齢になってしまって

帰りきて手のひら、あたためています

鳥も飛ばない寒ン空眺めていた

鶯啼く声も聞かず、立春

雲の 吐息の 人間たち

昨日の雨は酷かった 靴乾かす

山又山の うず高く積まれた 文学

 
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