夜伽/
あらい
我々が 鍵を失くした空間で刻々と
夕景の差以外を焚きつけ 作り上げて杜と賭ける
蛍光は夜通し
胎盤を成型している
小憎たらしい粉末は端や庭に遜って
目的問わず産み付けていく
不時着した碧空が 心臓が狂い在て
紙篇を握らせたものであるが
燭台に消えかかった罪滅ぼしすら
我侭な多幸感で滑稽に解け遺るありさまを
(累々といざない続ける)
素晴らしいと息をのみ匂い立つ水平器に頭を垂れる
だが底なしの海にある、そ
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