詩の日めくり 二〇一九年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
遂をしてから5、6年してからのことであった。大学院を出てから、小説を書いていたのだが、元彼に、おまえの書いているものは詩だと言われて、そのとき本屋に連れて行かれて、雑誌のユリイカの投稿欄を見せられて、ここに投稿しろと言われて、投稿したのだった。それが、ぼくが27、8歳のころのことで、投稿したさいしょのときからずっと投稿欄に採り上げてもらって、(一度だけ、載らなかったのだが、それはぼくが、まさか自分の書くものが載るとは思わずに、投稿しなかったときの一度だけである。89年の9月号であった。選者は吉増剛造さんで、ぼくが投稿しなかったことをその9月号の選評欄に書いてらっしゃった。けっきょく、ぼくがユリイカ
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