ボロボロの壁/ホロウ・シカエルボク
 
て倒れていたらしい。仕事が終わってすぐの時間で、まだ眠ってすらいなかった。でもなにをやっていたのかまったく思い出せなかった。目が覚めると真っ白い部屋で寝かされていて、看護師が近くをウロウロしていた。俺が目覚めて驚きの声を上げるとこちらへやって来て、大丈夫、とだけ言ってナースコールを押した。この前の医者がやって来て、俺と目を合わすと悲し気に笑った。
「また会ったね。」
俺が答えられないでいると、彼はそのまま今後の説明を始めた。
「君はこのまま少し入院してもらう。精神科の方の病棟にね。向こうの先生に話をつけてある。これから一日か二日、完全に監視された状態で過ごしてもらう。もちろんそれは、君が安静
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