自由律俳句 2022.02.06(日)/田中恭平
 

お金という存在を忘れひとひ過ごしたい

寒さ 急いで煙草喫っていた

きぶん悪くなることの陽の援護を待つ

アラームが鳴りつづく 消されて妻は起きない

大丈夫 食パンはある

困窮しているのに外食かよ

変わりたいのか、それは嘘なのか 陽のかおり

悩み少々の 胸のプロペラぶんぶん回る

お腹が空いて力でないに 物を書きたい

私小説の、生真面目さに足をとられる

エンタメは聖書でことたりた

生活のくりかえしが祈りにかわる頃に居る

洗われた今日の、朝の、存分書き汚す

数秘論者は簡単に神様を持ち出す、嫌う

なんの罰で金払って働くのですか

愚痴っぽい句も好きです 尾崎放哉

信じることからはじまるが信じられない

己の弱々しさに二月の風つめたくあたる

 
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