もどかしい光/
やまうちあつし
爪弾く指は
同じところを行ったり来たり
そのくせしばらく経つと
悲しみを言い当てる
もどかしさの中に
光とどまる
存分に
やさしくなるといい
それは権利
そして好きなだけ
しあわせに
それは義務
遠い場所から
誰か見ている
とても
顔も名前も
忘れたような
戻る
編
削
Point
(1)