the beach boys strikes again/中田満帆
もしも死者が定型ならば、
生者は不定形ということなのか
水に浸かった流木が沖に着くとき
ぼくのなかに存った永遠という辞がすべて、
駅という一語に置き換えられるのはいったいなぜか
いままで忘れられてきた問題集が解剖される夜、
ビニール傘はなぜレンタルビデオの駐車場にあるのかを教えろ
とどまれ、
とどまれ、
苦い米を喰う蛮族の宴、
産廃を蒸留して酒をつくる女たち、
神は13行の標、
ならば詩学は半ダースの鰯だ
畸形の祝祭、そして浸透する夜
かがり火を焚いた男の腕が延びて、
いつのまにか叙情する意味、
和解を果たせずにいることが人
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