遠藤周作 自動筆記/soft_machine
 
正倉院宝庫がその所蔵品をま近に準備してくれた古美術研究旅行中
奈良の夜、作家の訃報を速報され飲みに出た
歴史にも詳しかった彼が奈良の巨刹群にどう想いを抱いたか、作品に伺えないことは却ってひとつの意味をあたえる。のだと思う
その彼のゆらぎやよろめき、あやふやな作品群
「勝呂」
あぁ、また彼なのかと思い
彼をスター・システムにした作家の
深く暗く長い視線の先々は、短編の名手だから不安定な未読なのですまだ読めない。まだまだ既作をつまみめくりしなければと思う。秘められた文字、つづりながらとざしたもじだから
その夜のコニャック
大連の冬はわたしの祖母も歩いたらしき凍結だ。響くバッハのパルテ
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