あの夜の景色/soft_machine
きれえな音やわぁ
おさない少女のさえずりは
三宮のゆるやかな賑わいにうかびあがると
セカンドバイオリンにぴったりより添う
きれえな体育座りだった
路上がいちばん好きだ
秘密警察におい立てられて岸を変えがえし
酔客相手にジャズやら
哀歌やらを演奏しいしいアーケードで終演
撥がボクを
弓がバイオリンを
少女の両手にもちかえ
まるで親子のようにならんで帰り道した
つなぐこゆびの断面にこもる熱は
きれえな音やったわぁを飽きず
ボクらにぶらさげられるがままにはしゃぐ
ぽっかり舗装をうしなう町のただいまぁ
あれ地にバラック、傘のない白熱灯
少女の笑みに応える人声のか
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