雪国/山人
うに、ささやかではあるが明かりを消さないように、男たちはずっと昔も今もそうして雪と対峙している。
四季を通じ、村人の挨拶は天候の事や、田の話だ。「はて、さっつぁんなったのぉ(もう、いやになったね)」「もうぞうぶりだのぅ(きちがい降りだね)」、つまりは共有である。雨が続けば、雨を挨拶にし、暑ければ暑い、凌ぎやすくなれば「いい塩梅だのぅ」と言い合う。
雪が美しいのは間違いない。雪山が美しいのは間違いない。しかし、それを芯から感じているのは私たち雪国に住む人だけだと感じる。
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