水の世/soft_machine
 
はてしない水に
あらわれた沖という感じ
子どもらが
ゆびでつくったさんかくを
ひろげるとみち
こえにだすと
胸にひびくはてしなさ

どこまでもつづくうねりへは
近づきすぎてはいけない
離れてもゆかない
あらゆる風をまとう
しずまぬ町を
さがしても無駄になるだけと
ふるい葉書にあった

思い出として
無限のチェロになるばかり
よこ顔だけを見ていたかった
吹かれてとがり
あなたがたにはさまれて響く
ひみつを択びひろがせる
水のみね
水のたに
水のほらあな
すべての日々を氷塩にして
しかし空にはとどかない
よろこびもかなしみも
むくわれず結晶するい
[次のページ]
戻る   Point(1)