イチゴゼリー(無果汁、ゼロカロリー)/
 
高齢の母子が凍死していた
アパートの一室を目がけ
放水車が生温いゼリー液をまいている

青空にキラキラと
イチゴフレーバーはキラキラと

少し固まりながら落ちてくる
ゼリーに辺りは満たされ
野次馬はスマホを構えたまま
ねっとりと個性を失い平らかになる






そして街灯は鼻炎に悩み
低い方の路地はイレウスを疑われている













しかし止まれの標識は難聴だった



















放水車は未だゼリー液をまいている






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