便宜上一手/あらい
 
夢が?ぐ、ゐヰる 口の仮名が
荷崩れをおこした 抜け毛之煙草が追いつけず
銀の錫 ワを、とりみざす、螺旋にもならない程度に
  
戸締りを音下、っ端。狂い咲きの満月
対称のランプが閉じかけている
くちなしの花を掲げ 呷るように辺りに
 
点滅する
滲み出した朔番が もうすぐに
 
連れて貪る貧相な 雌豚を今日の褥と飾ればいい
ぶら ぶらり、鉄紺がなければ あしはおそいのだから

「それでそれでそれでおしまいかい。」お嬢さんは永い睫毛と
緒狗様が哭くなった。それで、ゆくさきを見失いましたか。
あとをつけてはならない と あれほど、もう しつけたでしょ
 
円を欠く 鱗がいちまい、女郎蜘蛛隣る
泡立ちもない お喋りが盛んに 編み込まれた目録に
樽の奥、一粒 梅と割いている。かきつけに築いたところで
 
春が来たよ、と いい かげんに とおい
 
老いぼれに 撒かれた 胚を、剥いたのさ、っと そこをどいて
角を亡くしたのさ。と唱導で 下卑た、歯列と生成りを於いた
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