年明けからの毎日/番田
では都会を離れて、郊外で暮らしている。そうしない理由もあまりなくなったからだった。誰かと、代々木公園で毎週のように会っていたのはいつだっただろう。今でも池の畔ではあの噴水は上がっているのかもしれない。記憶というものは誰にとっても良いものであったりもするけれど、僕はそれ自体をなくしていきそうな不安が今はあった。記憶の中にいる僕を取り戻したいと、季節の中で考えたりもする。意味は、何もないようだった。それは、誰にとっても、同じなのかもしれないが。
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