詩の日めくり 二〇一九年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
う思えるくらいに、似ているのだ。顔ではない。雰囲気かな。魂かな。姿かたちではないものだ。ああ、そんなことを言えば、ヒロくんとも似ている。みんな、同一人物じゃないのかってくらい。しかし、これは錯覚だろう。ぼくの脳が、何人もの人間を結びつけようとしているだけで、ひとりひとりまったく違った雰囲気、魂をもっているのだろうから。ただ、脳の認識のうえでは、何人もの人間がひとりに見えることがあるというだけで。けさ、ノブユキの夢を見た。もう25年もまえの恋人を。


二〇一九年一月二十六日 「断片」


 ひとはそれぞれの人生において、そのひと自身の人生の主人公であるべきである。したがって、他者に対し
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