藁焼きてんまや/草野大悟2
たかだかと
つるされた首は
とまどっているのです
とまどうことに
とまどう自分に
いらだっているのです
首は、しょせんクビでしかないことを
よくしっているから
とまどうのです。
エンギでもない
と
カラスがとんでいきました
が、
首は、
明日のけしきを
いつだって
いつだって
見つめているのです
それが首だから
首の首たるゆえんだから
と
いったら
笑うのでしょうか
あなたたちは。
たかだかと
つるされた明日は
しっかりと
明日の向こうに
歩いていくのです。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)