風化する放課後の/ちぇりこ。
 
─まいにちうまれるものたちが
─まいにちしんでゆく

眠り、浅い夢からさめたような春の予感のする少しつめたい風が、名付けられているはずなのに誰も名前を知らない雑草の頭を、さあー、と撫でてゆく放課後に、足踏みオルガンを連れて旧校舎の裏側にある少しだけ整理された芝生のある空間に行こうと思うんです、感傷とかそんなことではなくて、旧校舎が取り壊されることを知った日からそうしようと決めてました、来る日も来る日も、つま先を踏んづけられて、ぶかぶか唄って、もう唄ってもいいんだよ、て ささやかに見届けてあげようと思ったんです

─かわらないもの
─かわってゆくもの

渡り廊下、子どもたちの群れが春
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