生臭い初夢/まいこプラズマ
白い
大理石のフロアタイルを
敷き詰めたキッチンに
見たことも無い
巨大なサンマの開きが
横たわっている
旬は過ぎているけど
気にしないで
夢だから
頭だけでも軽自動車ほどの大きさで
尾鰭はキッチンに収まらず
隣のリビングを横切り
出窓に飾られた
花瓶や
デジタルフォトフレームを薙ぎ倒し
窓を突きやぶっている
軽自動車が入るキッチンが有る家って
どんな豪邸なんだろう
って
気にしないで
夢だから
それより
私は使命感に取り憑かれていた
このままでは両面焼きグリルに
入らないから
「何とかしなくちゃ。」と
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)