解体品/あらい
 
ちいさくひかる無数の燐、
むねいっぱいの芳春と川を獲る

疎開地へ

朝餉のほど縊る、
人目ごまかし、
あちこち故郷に散る、

おしなべて

物の凹凸、
広い野原の中央に、静かに
又は遠く 落ち着いていきます

列を作って対ぶ、白く泡立つ波が、
特に等しい関係で、差し支ゑず
混乱した状態を抑え込んでいる、

片方の腕、虚しいかぎりのヲ嬢サン、

樺色の破れ裂ける絶望には
廃盤の螺旋を銀鱗で落とし 

穏やかで温かく

多く頭上に放擲する優れた誉れとしては、
密か約束を犯す、乳清を嗅ぐ

氷点下の列車は納戸から別けて
心耳を澄ます、
不文律を賭け占めし
くちびるからほどけていく、
まろやかな琴線を幾日、

数えたかトドメを。

「わたしは」水が染み込むよう、
入相に阿吽を鎮める「こころとからだ」
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