自由律俳句 2021.12.31(金)/田中恭平
 
年が変わる、と云うことに怖れだってあって

気が急ぐ年の瀬はよく御茶を飲む

急いでしかたない日向歩いてゆく

ひとり年をこすことになり咳きこんだ

妻の化粧品の埃ぬぐっている

歯科に行って奥歯治して楽になりたかった

芥川龍之介、本棚へ戻し大掃除終わり

青空は目に毒だ 青空が美しすぎる

洗顔さっぱりとしてほんとうのじぶん

炬燵に座して歳月は通過していった


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