自転車、南天/いる
 
夜 とか書くと負けた気持ちになる
ただの名詞のくせに
まあいいや 朝起きて新鮮な暴力のニュースを
(朝 はいいのかよ)
飴でも呑むようにざらざらと摂取し
正気を保っている
ひとりだけ
瓢箪の内側で暮らすわけにもいかんし
消費でもしないよりはまし
(というような薄荷系の呪文で)

立って服を着て自転車に乗って
(回す という動詞をこう使うのか)
ブロック塀だらけの
いかにも人間の生活っぽいあたりで
また出てくる南天
つっかけ

定型句でわかりあえることもあります
わかりあえるというか その
お互いにいなくてもいい人なんですねと

(一回りして
同じ所に戻るわけないだろ
時間なんだから)

自転車は乗ってると倒れることは稀で
なんでここには
隕石が落ちてこないのかと思った
思ったこともあったかもしれない
(言葉のいいところは嘘がつけるところ)
地球とか
経済が回っても誰か見ていないと
それだけのことですよね
誰かが驚いて叫んだりしないと
ともかく
それが夜だとか書いている場合ではない

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