創生/あらい
 
外皮は雪化粧でしょう
どうせ乱視の理想を素直に頷いて

きっと汚穢も含み煌々と照る
星屑のステージファンタジアであって

わたしたちは多動なギニョール。

その利き腕では強引にも
取り違えた錯覚をフォークで殺し
はぐるまのひずみから拐われて転がり込む
きみがふたつに折れ、
狡猾な落日に今日も出会ったの

困らせたいほど 無条件的絶対愛(アガペー)を
指でなぞって、うまいとこ塗りたぐる

月の証は糸を繋ぎ、
壊さぬよう優しくベーゼで抱いて
宙に透かしたベールを剥いでしまえば

しとしとと漏れている常識を芸術に置き換える

八百万の濡髪は君がくれた紅い意図で首を吊り
なんどでも熟した右目でなにを得ようが
すり抜けた群青は今日も歩いてくる

無意味に抉り取られたその愛は征く宛もない

終焉を知っていて綴られ、
機械じかけの心臓を刻んで、
忘れがちな蒼い鳥を見つけ出しては手放す。

鳥籠のなかには終始今だけの、安っぽい推論で
熟れた苺が味気なく作り出され、理想のまま

垂涎を齎す可愛そうな、横たわんだ からだ
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