ひと、の/津煙保存
 

ひえびえとする
部屋の冬
ふゆとよぶものか
ぶるぶる
ふるえながら
つめたくなる
部屋のなかで
るびを
ふり
ながら
ふるえだす
たとええない
わたし

ちぢこまる
存在らしきもの
として
ひとは
ひとを
たとええない
ものの
ことば

るび

ふり
るび

ふる
える
ものとして
かたる
みず


  //

  廃屋に

みあげる
だだっぴろい
青い大空を
帰るだけの家
ふるさとへ
ただそれだけのち ち
なにもかもかぜと 
あめと
ひと
だった
空はかなしみか
かなしいと
よぶべきものか
おもうべきものか
どこまでも
いつまでも
問いかける
ひと、の





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