はなび/soft_machine
はなび
いき残って欲しかった
近所のわたしの野良犬たち
いつも 連れさられていった
空 そら、闇をてらす
町のあかりをするするすべり落ちてきた
きらきら ほら、海の向こう
火の花の 蕊おちる
ゆらゆらゆきくる でも無線飛行
誰? 彼? かわらけ?
ちがう わたしをうばい合う
からみほどかれ 焦げついた文字が
いらかをたたく げんこつが
だれかの、壁にほった便りを
うち消すゆびにつぎつぎ這い登る
朱がたぎり、ついに色をなくすまで
雨がふると その人は
きまって線香花火をあげさげしていた
夜の祭りを見ようとせず
どこかの犬と
枯れた舌で 星をのみとりながら
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