ドロシー/ちぇりこ。
える場所じゃ居られないって事は
わかってる
夕陽に照らされて君の影は伸びてゆく
ぼくなどすぐに追い越して
メゾン・ド栄も追い越して
新町四丁目の交差点を通り過ぎ
駅前キラメキストリートを飛び越えて
どこまでも
どこまでも伸びてゆけ
(きっと娘は)
ぼくのしらない空のうえには
ぼくのしらない虹がかかり
ぼくのしらないドロシーと
ぼくのしらないエメラルド・シティで
ぼくのしらないドーナツをたべている
いつか
不安になったり
つまづいた時には
いつでも振り返るといい
そこには
知恵を失くしたスケアクロウが
勇気のないライオンのように
君の後ろで支えている
から
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