ほころびショール/あらい
その濡れ羽鴉が影一枚 羽織った面妖のピエロを炙り出す
柊の夜。大口を開けグロテスクな無垢な施しを与えん
おおぶりな川のせせらぎは寂しげに演舞を受諾する
手あぶりに凍りつく患部に聞き伝えの罪を着せ曇らせ
狂騒のひかりの屈折でねじ曲がった行幸を独唱して芽吹く
春浅い、無名の少年はもうすぐに門出を迎え腑抜けにも奇怪だ
あかつきのショールは頬骨に囚われ隻腕にゆんで視姦する
半透明のうたかたを夢見るようにふらつく太陽を知る
足元に日の輪くぐりの虎をかい、背の低い狼に慕われ、
銀の巻毛がくるくるとよく動き、光彩を疾走らせる
それでいてしなやかな薄?の下でひとりぼっちか
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