群棲/あらい
った手足、腫れた胸。膿んだ肢体。むくれたのは、誰
傷跡に 事後に 裸の球根、潰れたまなこ
一瞬で解けた幻視に到達する
どこまでもついてくる ユウジンたち
(名づけられた)イロハ(描かれた)影である
錆びたファイル 破れた眼鏡 明かない天窓から
覗いて、きた。
灰が
赤いタオルが床に敷かれ
饐えた青磁の皿は かごいっぱいの苺を、手渡してくれる
黴のはえた洋館 永遠の庭園をぐるぐると廻って、生け捕る
手の届かない入口に対して 吊るされた鎖が、
杭で打たれたままで 捕らえられたうさぎしかない
さかさまになって 緩んでいる 微笑として 内側に向かって
おんなは、あるいてもあるいても
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