ポピュラー・ミュージックは文学たり得るのか?/朧月夜
 
とが、文学の本質的な意義ではないのです。
「新しいものなど、真には存在し得ない」
「真に新しくなければ、芸術ではない」
 そういった矛盾する考え方も、様々な人たちによって様々に語られることがあります。
 しかし、時代より先んじることなく、懐古趣味に陥るのでもなく、時代と常に同時にあること、そこにしか真の文学というものは成立し得ないような気がしています。ポピュラー・ミュージックは、すでに文学の色彩を十分に帯びています。もしこの時代に、ポピュラー・ミュージックのミュージシャンたちの作品が文学たり得るとしたら、それは時代に遅れず、時代に先んじることもなく、正しく彼らや彼女らの現在として作品が作られている場合に限られるのではないか、そうも思っています。
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