概念とはグラデーション的な実在ではないのか?/朧月夜
 

 すなわち、数学の世界を「限りなく大きな方向」に辿って行ったときに現れるものが「グロタンディークの宇宙」や「到達不能基数」です。反対に、数学の世界を「限りなく小さな方向」に辿って行ったときに現れるものが0だとすれば、どうなるでしょうか。その「限りなく小さな世界」に到達するためにも、「限りなく大きな世界」の数分のステップが必要になります。「限りなく小さな世界」に存在する「0」は「限りなく大きな世界」に存在する何らかの数と密接な関係を持っているのです。
 混沌の真の意味というのは、そうしたものなのではないでしょうか。このとき、数0の中には限りない豊穣が含まれていると見なすことが出来ます。
 
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