姿見./あらい
やけに磨かれたぼつぼつの廊下は濡れ光る。障りをも流出する、と私は 途方に暮れる 渡り鳥も そこで尽きようかと、なら先が見えないのだと 嘲笑う、くたびれた草履がぺたぺたと云う。
黙殺されたメトロノームは、足音と貪欲に血に刻む それでも、規則正しく拍を担うものあり 此処が懺悔室のようでもあり、あきらめて病床の透き間に潜る。
私のすみかであるか、皆目わかりはしないのだけれども、
だが胸の札はもう直ぐに七と見合う、だが今は紫陽花小路とうたおう。
少し せきばらいをお願いしたい、憐れにも おもわれたくはない
体裁を揃えてピアノの傍らへゆく、
乱れた衣服をただしては そこ
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