風が我楽多を靡かせる/あらい
夢よ幻よ。やるせなくそして ひざまずく。
たとえば湿ったアスファルトと、推し量る
仄かに照り返すみちびき。
一本の露地のその先へ、
うちとどめなければならない
なにかを
砂山の卒塔婆に見立てるだけの
わたしたちは。
黒い影や光の渦と、とめどなく板壁を伝い 溢れ出て
雲間に?空を、呆けては傍観する、
それは、
一瞬でも永遠にも映り込む陰画のように大海へとけだしている
三日月と曳かれ(生々しい傷跡を毟る。一縷の望みと一端の責任を)
盆の上に潮時が起立する。
迷走の域はかくもあたたかく
限りなく深く、ずぶにしずんで
ある一室に灯る つきあか
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