いつまでも/soft_machine
毎日すべての珈琲が
あたたかい国
街の真ん中には日時計の柱
海の上で
狩りを覚えはじめた小禽
無人の駅を震わせるピアノ
なめらかな不発弾
幾何形体
迎える身体が
どんなに拒んでも
おいしくわたしを食べてくれ
ゆるゆる蠕動し
おおきな環になる
いつまでも
消えない
夜のひかりが
揺れなくても
星が燃えなくても
レコードが欠け
それなのに不安をなじられ
きみが来ず
びしょ濡れになる中で恋に破れ
ことばは果たす約束より
嘘が得意だとしても
この瞬間も
風は髪を梳かしつづける
秘密の前にも後にも
油の玉にまで
いつもおだやかに目を瞑り
いつまでも消えない
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