あめはまっすぐにうたうのだ/あらい
紅葉の文様、その磨りガラスを叩くものが、
とんと鋳る
虚しいものだけ集めて終いたい
僕の中には それが軸になって
ぐるぐると塒をまく
ひかりだのやみだの、
どうせ狂ったように刺し混むだけのもの
僕は清冽の棺で眠る
紫陽花に今日もまた変わらずに
と微笑みかけ 手を架けた
木枠のはざまからあかりがまっすぐに指す、
仏間には枯花が色褪せずに遺る
時折柔らかな走馬灯が宿りて言う
あれはまた、あめはまっすぐ伝うのだ
と壁に添い垂涎を讃えながら
時々ぶつかったり、柔らかく包み抱かれたりして、
窒息しそうになることもある、
記憶を巡らせていくだけで。
今際の君の玻璃の瞳はどう映るのだろうかと
無用にも空の器に沃がれ続ける
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