対人恐怖と優しさ/TwoRivers
も覚えた。
父親の短気な性格。暴力。
子供の頃からそれに接してきた。
自分はそんな人間ではない、とそれを否定しながらも、
しかしその性格は、私自身にも確実に遺伝していた。
それを無意識に否定するように、私は生きてきた。
抑圧しきれない怒りは、睡眠時の悪夢や奇声となって表出している。
その言葉を消化しながら、私の対人恐怖についても一つの答えが見えてきた。
それは私自身が「他者にどう思われるか」ということよりも、
「他者を傷つけない」という優しさで恐怖を感じていることだった。
内在する暴力性とは対極にある優しさは、当然生きにくさを伴うが、
誰もそこに到達し得ないという誇りも感じられている。
ストレス社会と言われる現代。
多くのストレスは対人関係により発生するものである。
そして自説ではあるが「他者にどう思われるか」という視点よりも、
「他者を傷つけない」という優しさこそ、対人恐怖の根本にあると感じる。
自分で自分を傷つけない。
そのためにも、多くの人が気づいていない自分に内在する優しさに気づいて欲しいと私は願っている。
戻る 編 削 Point(6)