歳を経て/
 
白砂が敷き詰められた海底に

密かに流るる唄の声主は誰か

岩壁で覆われた筈の闇の

僅かな隙間から漏れ出している


世界が海と空に分けられたのは

命がいずれにしか住めぬため

雲跡作りながら飛ぶことができても

その翼で水は掻き分けられぬから


理想に翼をもがれた者達は

夢の間に間に唄を聞くだろう

恥じることなく漂いながら

旧き良き歌詞をまた口ずさむ
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