柘植の枝で叩く/竜門勇気
 
が教訓みたいに思えて
痛みが薬みたいに感じてる
でもそんなのって変だ
他人がくれる痛みはなんの役にも立たない
外からじゃ意味ない

固くありふれた
すべての言葉と
責め立てられるその舌を
柘植の枝で叩く

二度と僕の内側で力が生まれないよう
念入りに
柘植の枝で叩く

盗んだり
したよ
他人のものやこと
奪ったり
もした
泣いてたっけあいつ
あんときからずっと今まで
あいつが柘植を育ててくれてたんだ
途方もなく立派な枝が
僕をぶちのめすためだけに育ってた
そしてエンディングだ
まだ葉の残る丸太のような枝が
振り上げられる
葉が揺れる音が聞こえ
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