葬場 鳳翼の真人/あらい
乱雲流れ去る、その懐古、あまねく。
わたしたちは、みなしご
胡散臭い湖へ 舟を漕ぐ
今日もまた絞め殺す その的を射る
搾られたシグナルに 今を偲ぶために
刻印を畳み込む つばさをひろげよ
ひややかな嘴でつつかれたらば 和紙に綾錦、
どんよりとした川面に移り住む、錆びた棘と蔦
嗚咽が滞留する ときには、落花。
(なにもいきなくても いい、から、)
散り敷かれた濡れ朽ち葉
既に枝が涸れた、喉を抑える。
ぽつんとした ひとり、で
華のように微笑み
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