小さな太陽/
服部 剛
ぽたり、汗は落ち、土に浸みた
しゃがんで草をむしる
炎天下の庭で
ペットボトルの水は
すでに
ぬるま湯
あとひと息
草の束を
根こそぎ、引き抜いた
土の中がピカッと光った
半面の顔を覗かせ
(硝子に映る遠い太陽)
目線の先のアスファルトは陽炎(かげろう)
頭のくらつくなかで
ぼくは知る
果てなく脈打つ、鼓動は
ビー玉に宿るあの光と
つながっている
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